Blue Flame
□#2 大切な再会
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「えっ」
?
思考停止した。誰もその時の僕を咎められないと思う。何? 何が起こってる?
まず、エネ。
次にチル。
ソルにライ、シズ。
ラキ、サナ。
そして、カルト。
瞳がそれぞれの姿を視認する。
もう会えないと思っていた、諦めていた家族の姿があった。
「う、そ」
驚くのと同時に歓喜が沸き上が、おいちょっと重力が働いてつーか数!
「ぐぇっ!」
勢いよく落下した。
いや感動の再会だろう。感動の再会だよ。
僕も嬉しい。ちょーうれしーっすー。けどね。
「内臓出る……」
僕はカビゴンじゃねーっつの。腹で受け止めるとか不可能なんですけど。
カルト先輩、あなたの肘は僕の腹に容赦なく入ったよ。
いやわざとじゃないのは分かってるけどさ。
チルが慌ててどかそうとするけど、ライとシズはどうしても動かない。
この二匹は甘えん坊だからなぁ。まぁいいか、それにしても。
よくも泣いちゃって、まぁ。
僕にそんな価値はねーのに。
きゃーソルも涙ぐんでる。カルトまで。
「困ったもんだね」
……泣き顔なんて見せられたもんじゃないのに。
けどそれは、僕も例外じゃない。
「このPTに賢い奴なんて、一人も居ないんだ」
僕にくっついてこないで野生に戻った方が安全に決まってるのに。
得体の知れない世界に来る必要なんてないのに。
それでも。
……それでも。
「馬鹿ばっかりだ」
嬉しい。
ぼろぼろと涙が出る。自然と笑顔がこぼれた。
手を広げると、皆は僕に抱きついてきた。
号泣とか笑顔とか嬉しいとか、僕らしくないことのオンパレードだけど。
今だけは泣く。
今だけは笑う。
今だけは、この温もりを噛みしめる。
こいつらと一緒なら僕は何だって出来る。
真偽はどうであれ、僕は確かにそう思ったんだ。
→後書き