青学
□テニスのかぐや姫
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「部長手塚国光氏が拉致した天才魔王不二周助様を家へと連れ帰ると、
家ではオカン大石秀一郎氏がせっせと部員という名の駒どもをまとめておりました」
「え、俺? しかもオカンって……」
「部長手塚国光氏が拉致してきた、
天才魔王不二周助様を見て、
オカン大石秀一郎氏は言いました。
『え……なんで血だらけなの……?』
そう。
翁――部長手塚国光氏が光る竹を切ったとき、
あまりに力強く切ってしまったため、
中に居た天才魔王不二周助様は、
ちょっとした怪我をしてしまい、
血を流してしまったのです。
そして、部長手塚国光氏も、
天才魔王不二周助様の返り血を浴びてしまっていたのです」
「ホラー? これってホラーなの?」
「困惑するオカン大石秀一郎氏をよそに、
部長手塚国光氏は言います。
『大丈夫だ、問題ない』
まさかのエル○ャダイのイー○ックの名台詞でした。
私もびっくりです。
まさか部長手塚国光氏がそれを言うなんて。
まあ私はエル○ャダイをよく知らないので、
妹がそれイー○ックの台詞、と言っていたのをたまたま覚えていただけなのですが」
「話がずれてるぞ」
「すいません。元に戻します。
なんだかキャラ崩壊気味の部長手塚国光氏に畏れ慄きながらも、
オカン大石秀一郎氏は駒どもの管理を続けます。
駒どもはテニスという何やらラケットなるものとボールなるものを使った、
スポーツなるものを練習していました。
それはそれは一生懸命。
駒どもの中には、
マムシ海堂薫氏や、
猫菊丸英二氏、
諜報マニア乾貞治氏、
低身長越前リョーマ氏、
あーもうメンドくせえ。
その他諸々という面々(順不同)がおりました」
「適当っすね」
「うっせ。黙っとけや低身長。私より低いくせに本当に男なのかお前は」
「低身長じゃないし」
「知るか。どう見ても小っせえだろ。あーもういいよ続けるよ。
駒どもは皆、テニスに関してはとても素晴らしい才能の持ち主でした。
テニスに関しては。
性格その他色々生活面などでは、とてもじゃないけど素晴らしいとは言えません」
「褒められてるのか貶されてるのか……」
「その駒たちの中に、天才魔王不二周助様が混ぜられました。
天才魔王不二周助様は、とてもとても強かった。
その強さはあっという間に駒どもを超えてしまいました。
でもやっぱり部長手塚国光氏は超えられませんでした」
「超えられなかったんだ」
「天才として生まれ、天才として育った天才魔王不二周助様は、
そのことで大変お悩みになられました。
時には自傷するほどに」
「そんなに!?」