Gift
□お見通しだ
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『あ、あのぅ……赤司君…///』
赤司『何だ?』
『い、いえっ……;;』
どうして、こんな状況になったんでしょうか。
私は今、保健室のベッドで赤司君と一緒に寝ています。
つい数分前____
『うぅ〜、頭痛い……。』
私が保健室に入ると、そこに先生はいなかった。
人の気配もなかったので、とりあえず入室者の名簿に名前を残し、ベッドへと向かった。
しかし、ベッドを囲うカーテンを開くとなんとそこには________
赤司『…やぁ、シャララ☆。』
『あ、赤司君!?ご、ごめん気付かなく「おいで。」……え?』
赤司『一緒に休もう。』
勿論、私は逃げようとした。
………でも、足が動かなかった。
彼のオッドアイに見据えられて、私は床に足を縫い付けられたかのような感触に襲われた。
………で。
結局根負けした私は今、赤司君とベッドの中、という訳です。
赤司『シャララ☆、何でそんなに赤い顔をしているんだ?』
『っ……だ、だって赤司君とこんなに近かったら緊張もするよ!///』
赤司『恋人同士なのにか?』
『わわっ……!////』
なんだか"恋人"という響きが恥ずかしくて、うつむいてしまった。
すると隣からクスッ、と小さく笑う声が聞こえたかと思えば、彼の腕が私を捕らえた。
そのまま抱き寄せられ、身長差から私の頭はすっぽりと彼の胸におさまる。
『あ、赤司君!?///』
赤司『朝………少し、顔色が優れていなかったな。』
『えっ?』
赤司『廊下ですれ違った時、具合が悪そうに見えたんだ。』
今朝………確かに、学校に来る前から体調は優れなかった。
…でも、そこまで露骨に出してはいないはずなんだけど………。
赤司『好きな女の異変など、すぐ気付く。』
『うわっ!?考えてる事口に出てた!?///』
赤司『いや、表情で分かる。シャララ☆の事で分からない事などない。』
『な、何よそれ……!///…もしかして、私がここに来るのも分かってて先回りしたの?』
赤司『無論だ。僕が体調を崩す事などないしな。』
フッ、自慢気に笑う赤司君は、その表情がすごく似合っていて何も言い返せない。
まあ事実の話でもあるし…。
その時、頭が痛む中話したり緊張したり考えたりしたせいで、眠気が襲ってきていた事に気付いた。
ふわぁ、とあくびをしそうになった時、後頭部に温かい彼の手が添えられて。
赤司『眠くなってきたのだろう?』
『えっ!?何でまた』
赤司『しっ、……すまないな、喋らせてしまったのは僕だがこれ以上話すな。起きたらきっと良くなるだろうから、今は寝ろ。』
『う……///あ、ありがとう…///』
さらさらと髪を撫でられる心地よさに、睡魔は量を増し私の瞼を重くする。
"…おやすみ、シャララ☆。"
額に押し当てられた彼の唇の熱も、私の眠りを後押しして。
赤司君の熱と匂いに包まれて、私は意識を手放した。
面倒見の良い彼が私に夕食まで用意してくれていたのは
夜、何故か赤司君のお家で目覚めてから知ったコト。
* f i n *