紫色の恋
□久方ぶりの再会
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次の日の朝。
目が覚めたココは自分の胸元でモゾモゾと動く何かに気づく。
なんだ?と思いながら布団を少しめくると…
そこには服を脱いだ下着姿のレイラが目に飛び込んできた。
「うぉお!?」
動揺しまくって思わずベッドからゴンッと鈍い音を立てて落ちる。
その音に起きたのかレイラがゆっくり起き上がる。
『なんだ…騒がしい。寒い。』
そう言うとまた布団にモゾモゾ入り直す。
いやそこじゃない!!
「なんで同じベッドに…!?いやそれより服は!?」
『邪魔だから脱ぎ捨てて寝た。もう少し寝かせてくれ…』
ダメだ。
これは手遅れだ、手に負えないと感じたココは赤くなった顔をまた冷やすように自分の手で隠す。
「朝ごはんの準備でもしよう…」
朝から心臓に悪いものを見たが、昨日の事は夢じゃないんだと自覚させる。
夢じゃなかったと思うと頬が緩んでしまう。
朝ごはんを準備して、レイラと食べたら会長の所へ行こう。
そう考えながら朝ごはんの準備をする。
いい匂いに釣られたのか今度は昨日の浮いていたクッションに乗ったまま降りてきたレイラ。
顔はまだまだ眠そうで少し不機嫌そう。
服は相変わらず着てない。
だが毛布にくるまっているからいいだろう。
「おはよう、さっきはごめんね。
朝ごはん出来てるよ、一緒に食べよう。」
そう声をかけると眠そうに目を擦りながら頷くレイラ。
クッションから降りようとしないので仕方ないなという顔でココは毛布に巻かれたままのレイラを抱っこして椅子に座らせる。
ショボショボとした目をぱちぱちしながらご飯を見ている。
なんだかやっぱりそういう所は年相応の女性って感じで可愛い。
「食べれる?」
そう聞くとゆっくりと動きながら手を合わせていただきます。と言う。
ココは頬を緩めながらレイラの前に座りいただきます。と一緒に食べ始めた。
「今日は食べ終わったら会長の所へ行くよ。」
『あ、そうだったな。忘れていた。』
自分で行きたいと言っていたのに抜け落ちていたらしい。
しっかり者なのか抜けているのか…
『ご馳走様でした。』
そう言って立ち上がって毛布をとる。
「ちょっ…待っ…」
下着姿だと思ったらいつの間にか昨日の服に着替えてあった。
どういう原理?早着替え?
まぁ何はともあれ着ているならいい。
『朝ごはんありがとう、美味しかったよ。』
その言葉に嬉しくて笑ってしまう。
なんて幸せなんだろうと。
「準備できた?食べ終わったし、IGO会長の所へ向かおうか。」