Z E R O B O K U

□10年バズーカ
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「あー……暇だなあ……」

僕は一人溜息を吐く。

「いーたん!」
「え!零崎!?」

突然現れた零崎が僕に後ろから抱き着いてきた(ホントにどこから出てきたんだ)。

「会いたかった………」
「……キモっ……」
「キモ……!!……いーたんが暇だって言ってたから来たのに」
「………何で分かるんだよ」
「ん?愛の力?」
「おい、盗聴器どこだ言え」
「言わない!」
「あ、もしもし絵本さん?」
「やめていーたん教えるから!!………鬼……」

僕は壁に嵌め込まれた盗聴器を外そうと立ち上がった。
零崎は自分が持ってきたものを自分の膝に置く。

「零崎、それ、何?」
「10年バズーカ」
「10年バズーカ!?」

はあ!?

「いっやー、イタリアに飛んでたら変な牛ガキが」
「わかったわかったからもうそれ以上言うな!!………まさか、それ………」
「うん?いーたんに使うために奪ってきたに決まってんだろ。かはは」
「待て待て待て!!作品枠を越えるような無茶をするな!!」
「覚悟しろよいーたん!」

零崎が僕に10年バズーカを向ける。

「いくぜ!」
「やめろー!!」











煙が晴れた後そこに現れたものを見て、俺は絶句した。

「いーたん………?」
「ふえ……っ……」

ぼろぼろ涙を零しているいーたんが出てきたからだ。
いーたんが顔を上げて、俺に気付いた。

「……えっ、あっ、零崎!?何で……あれ?でも、何か若い………?」
「あー……その辺はアレな感じで……。何で泣いてんだよ」

俺は手を伸ばして、そっといーたんの頬に触れた。
いーたんの瞳からまた一粒涙が落ちる。

「あ……ごめん!俺……」
「嘘みたいだ……。今まで零崎、僕を置いてどっか行ってたから………」

………はあ!?
なっ……何してんだよ10年後の俺!!

俺は(今とは違って)素直で可愛い未来の恋人を見つめる。

いや………今が可愛くない訳じゃないけど。

いーたんが俺の肩に頭を置いた。

「零崎………」

かっ…可愛い……!!

「いーたんっ」

俺は我慢できなくなって、いーたんの唇に自分の唇を重ねた。

「………ふ……っ……」

いーたんの服に手をすべり込ませた刹那、周りに煙が立ち込めた。

「な……いーたんっ………!?」



 
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