Z E R O B O K U

□1st Contact
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僕は今日、殺人鬼と出会った。
それから、橋の下に行っていろいろ話したりして。

そして、今。

「……っ、離せ……」
「零崎人識だって。ちゃんと名前で呼べよ、かは」

何故かその殺人鬼に押し倒されている。
……因みに僕は上半身裸だったりする。
殺人鬼…零崎の手は僕のベルトにかかっていて。

「ちょ、待てっ…て……」
「うるさい」

唇で唇をふさがれた。
零崎の舌が中に這入り込んでくる。

「……っ……や……」

首筋を舐められて、ざらっとした感触が広がった。

「っ…や……」
「なんだお前、感じてんじゃん」
「ちがっ……」

零崎は僕に顔を近付けて囁くように言った。

「そんなに声出してると他の奴に気付かれるぜ」
「……っ………!」

そうだ。夜中で人気がないとはいえ、帰宅途中の人たちなんかに気が付かれる可能性がある。
現に今、車が何台か通ったあとだ。

「も、やめて、零崎」

僕は零崎の体を離そうとするが、びくともしない。
僕より全然細くて軽いのに。

「うるさいって」

零崎は僕の口の中に左手の指を突っ込んだ。

「ん……っ……」
「舐めてろよ」

舌で押し返そうとしても逆に指を絡められて、声を出そうとしても指の隙間から喘ぎが漏れるだけだった。

「……っふ……」

零崎の腕がぼくの腰に回る。

「もういいだろ」
「………っ!」

零崎は僕の服を脱がせて、僕自身に手をかけた。

「……っや、」

反射的に僕が身を固くすると、零崎が今までとは打って変わったように優しく、そっと僕を抱きしめた。

「………ぜ」
「悪い」
「―――っ……!」


甘い痛みは、夜の闇に消えた。




 
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