B O K U I Z U
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[夏祭り]
「おにーさん、僕夏祭り行きたい」
……と云う訳で。
「ぎゃはははっ!おにーさん、早くっ!」
僕と出夢くんは夏祭りに来ている。
「……人多いな……」
はぐれないようにしないと。
「………って……出夢くん……?」
気付けば出夢くんの姿が見えなくなっていた。
何というか……期待を裏切らない子だな…。
「あ」
いた。
「出夢くん!」
「んー?」
綿飴の屋台の前で出夢くんは買ったものを頬張っていた。
「何ー?あ、おにーさんも食べたいとか?ぎゃはは」
「……あんまり僕から離れないでね」
僕はそう言って、出夢くんの綿飴を一口食べた。
「間接ちゅーだよ」
出夢くんが僕を上目使いに見上げて言う。
「何を今更」
ぎゃはは、と笑っている出夢くんの手を握って、僕は歩き出した。
終