B O K U I Z U
□初めての
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僕は指先で出夢くんの胸をなぞった｡
｢っ……あ……｣
解っていた筈なのに､その胸の膨らみに少し驚いた自分がいた｡
―――……身体は女の子だもんな……
｢……お……にーさんっ……も……いいからぁっ……｣
｢……本当にいいの？｣
出夢くんは苦しそうに頷いた｡
｢でも……出夢くん､初めてだよね?結構衝撃的だと思うんだけど……｣
出夢くんは､自分の腕を絡めるように僕にまわした｡
そして､耳元で囁く｡
｢いい……からっ……｣
｢……解った｣
僕は､出夢くんの身体を軽く持ち上げる｡
｢……挿れるよ？｣
｢んっ………｣
僕は､既に滑らかになっている出夢くんの部分に自分のものをあてる｡
そして―――
｢っ……ぅあ……痛…｣
｢出夢くん………｣
｢っ………！｣
僕は､途中まで入っていた自分自身を止めた｡
出夢くんが､僕に不思議そうな視線を向ける｡
｢ふ………？｣
｢………止めようか？｣
｢おにーさんっ……？｣
｢出夢くんが傷付くのは見たくないし………僕は､出夢くんがいい時でいいんだよ？｣
出夢くんは首を横に振った｡
｢してよ……僕､おにーさんの事好きだからさ……痛いけど……大丈夫だから……｣
上目使いに僕を見る｡
赤く紅潮した頬が､とても可愛いと思った｡
僕は出夢くんに小さく音をたててキスをする｡
｢……………大丈夫？｣
｢ん……は､やく…………｣
僕は､ゆっくりと行動を再開した｡
微かに､震えている出夢くんの身体を抱きしめながら｡
｢……ひ…あっ……！｣
出夢くんの爪が僕の背に傷を付ける｡
それすら､愛しいと思った｡
｢おにー…さん……っ……｣
｢出夢くん……愛してるよ｣
｢んっ……はあっ………｣
出夢くんは苦しそうに顔を歪ませ､頷いた｡
ゆっくりと､腕を､身体を絡ませていく｡
こんな僕を受け入れてくれた出夢くんを｡
……本当に､愛しいと思った｡
終
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