☆ 

□いいんですか?
1ページ/1ページ

 



「……絶望した」
「どうした」
「おかずがない」
「絶望した!」
「これから買いに行くのもなー…あー……」

零崎が僕の肩を掴んでがくがくと揺さぶる。

「なんで前買いに行ってなかったんだよ!」
「めんどくさかったんだよ!」
「このニートめ!」

あ、ちょっと傷付いた。

それにしても、どうしよう。
ほんとに調味料とご飯しかない。

「…コンビニ行くかな…」
「まあ俺はいーたんがおかずだったら幾らでも食べれるけどな。性的な意味で」

最後の一言は聞かなかったことにした。
僕は零崎にご飯だけ盛られた茶碗を手渡す。

「はい」
「え」
「食べるんでしょ?僕をおかずに」
「…いや、あの、そういう意味じゃ………すみません、戯言でした」
「はー……」

僕は大きく溜息を吐いた。
それから、自分の茶碗にもご飯を盛る。
零崎が小さく首を傾げる。

「零崎をおかずに食べる」
「………マジですか」
「マジです」

お箸を手にとって、口にご飯を運んだ。
無言で零崎を見つめていると、暫くして零崎もお箸と茶碗を手に取る。

「…食べるの?」

複雑な表情で茶碗を睨んでいる零崎がなんだか可愛くて、僕はにやにやしてしまう。

「…いーたんをおかずに、食べる」
「へえ」

顔を上げた零崎と目が合って、僕は小さく笑った。
なぜだか嬉しくて、笑ってしまった。


それにしても。
見つめ合いながらご飯だけを口に運んでいるなんて、端から見ればただの馬鹿だ。


「いーたんっておいしい!」


とくに、零崎は。




 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ


©フォレストページ