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□傘クラゲ
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「………雨」
「………雨だね」
「何でお前がここにいるっちゃ、レン」
「やだなあ、分かってるくせに。大切なアスがずぶ濡れになる前に傘を持ってきてあげたんじゃないか」
「なるほど、じゃあはやくその傘を渡すっちゃ」
「何を言っているんだい。これがないと今度は私が濡れてしまうじゃないか」
「…………何しに来たっちゃかお前」
「おっと、雨が強くなってきたみたいだよ?さあアス、はやくこの傘の中へ!」
「お前は自分が相合傘をやりたいだけっちゃ!大体男二人で相合傘なんて暑苦しいちゃ」
「うふふ、かわいーなーこの照れ屋さん」
「手を握るな!」
「このまま……雨が止まないといいと思わないかい?」
「一人で言ってろ」
ビニール傘のその真下では
永遠さえも近くに見えた
君の右手と僕の左手
触れ合った時魔法にかかる