らーぜ
□拍手
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久しぶりにデートをしようってアズが誘ってくれた。
「行きたいところは?」
なんて訊いてくれたけど、どこにも行きたくない。だって人の目を気にせず、アズにぴったりくっついてたい。
「アズ?ほかのこと考えてる?」
なのにアズは上の空で。
「もー見てって言ってるのに全然見てくんないんだもん」
アズがどきどきしてくれるかなって、初めて赤いマニキュアなんて塗ったのに。
「ペディキュア。きれいでしょ?」
そう言う前に気づいてほしかったな。
でも言った後のアズはじっとそればかり見てる。こういうの結構好きなのかな…?
アズはそれからゆっくり、本当にゆっくり目線を上へとずらす。
何か、その見方は、その、やらしい、と思うんですけど……。
「ちょ、ちょっと、アズ…そんなに見なくていい、から…」
ひー!ス、スカートじゃなくてジーンズにするべきだったかも…。
「見てって言った」
意味が違う!そしていつものアズと違う!
「足の爪だけじゃなくて全部見てやっからさ」
そう言って私を押し倒す。
何だろ…いつもよりどきどきする…。
「今日のアズ、意地悪じゃない…?」
けど格好良い、なんて言ったらきっとアズは真っ赤になって照れちゃうね。
「お前が可愛すぎるからいじめたくなんの」
わわ、こんなこといつもは言わないのに!嬉しいけど恥ずかしくって、自分が真っ赤になってくのがわかる。
アズにだったら………どんなイジワルされてもいいよ、なんて思ったのは、ヒミツ。
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