きものは動きにくいから…

そう思い込んでいる人、居ませんか?

ちょっと大相撲を見て下さい。
行司は軍配を振りかざし、軽快な足捌きで前後左右に速やかに立ち位置を変え、勝敗を裁きます。

ちょっと古流剣術を見て下さい。
剣士は時に上段に大きく振りかぶり、時に素早く踏み込み突きを入れ、時に宙を飛び臑払いを避け勝負を決します。

試しに挙げましたこの二例、何れも古式に則った正式なきもの姿での、軽快な動作が見られます。

要は慣れですね。
着慣れてなければ、きものでもスーツでも学生服でも、動きがギコチナイなのは同じでしょう。

ちょっと浮世絵や錦絵を見て下さい。
昔の人達は襷掛け(袖を紐で縛り脇に纏める)をしたり、尻端折り(裾を捲り上げて帯に挟み纏める)をして、町を歩いたり仕事をしたりしています。

ではもう一度大相撲を見て下さい。
土俵の周りで、水や塩を運び、土俵を掃き清め、懸賞旗を持って歩く人達…
裾が細いちょっと変わった袴、裁着袴(たっつけはかま)を履いています。

要は工夫ですね。
きものを着ていて、ちょっと一仕事となれば、襷掛けをしたり尻端折りをしたり。
最初から仕事着として着るなら、動き易い裁着袴や筒袖の半着を着たりと工夫をすれば、動き難いと困るような事はありません。

そして一つ意外な盲点は…

そもそも、今俗に云うきものとは別に、動き易さを追求した昔の人達の仕事着としてのきものもありますよ、と云う事です。

とは云え、日常生活の範疇であれば、先に挙げた慣れと工夫で、動作に困る事はありませんよ。

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