きものは着崩れるから…

そう思い込んでいる人、居ませんか?

きもの雑誌や、きものサイトで見るモデルさん、きもの屋の店頭のマネキンは、皆綺麗で皺すら美しいような着姿ですね。

しかし、着付け指南等の雑誌やサイトを見ると、着崩れ防止の補正法や、着崩れ対処法等がよく書かれているので、きものは直ぐに着崩れる物、と思われている人も多いかもしれません。

えぇ先ず一言申し上げます。

マネキンやモデルの着姿を、美しい着姿の基準にするのが間違いです。

マネキンは云わば動かない死体です。
動かないのですから、幾らでも綺麗な着姿に着付け出来ます。

当たり前ですね。

対して、実際に人がきものを着て生活すると云うのは、歩き座り働き休む等々様々な動作を含む訳ですから、その様々な動作に合わせて、きものも動いているのです。

一日動けば多かれ少なかれ着崩れるのは、きものも洋服も同じ事ですね。

要はそうした自然発生的な着崩れを、見苦しくだらしないと感じるか、生きた衣服として当然の生きた姿と感じるか、どちらを選びますか?と云う感性の問題に集約されると思います。

人の暮らしの中で生きている衣服であれば、自然な着崩れは寧ろ美しいと、私は感じます。

しかし、日本の古い諺には「襟を正す」「折り目正しく」と云う言葉があります。
しっかり正すべき時には、襟も折り目も正すのが、日本古来の礼節と分別あるきものの着方と云えましょう。


昔の人々がきものを着てる間中、襟も折り目もマネキン宜しく正しっぱなしであれば、こんな諺は生まれなかったでしょうね!

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