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□遠鳴り
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――――もう少し、あと、数メートル…
”ブツン”という音が聞こえた気がした。
足に違和感と激痛が走った。
足が棒のようになり、そこだけ神経が切れてしまったみたいに全く動かない。
私は混乱し、悲鳴をあげた。
大きく開かれた口に容赦なく水が流れ込んでくる。
鼻の奥がツンと痛み、細かい気泡が出て吐き出そうとする水は逆流する。
不意に、フッと力が抜けた。
見えたからだ。
あの、揺れる水面に。
私はゆっくり手を伸ばした。
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