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□お人形の夢と眠り
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「ああ、それはその…なんといったかな…。」

と、同僚の三納は頭を掻いた。
僕はすかさず答える。

「『窓辺の彼女』」

「そう。そいつに惚れちまったんじゃないのか?お前が。」

僕は目を見開いた。
ここは社内の食堂。僕は朝の出来事を同僚の三納に話していた。

「そんな、まさか。7も8も年下の少女だぞ?」

三納は遠い目をしてタバコの煙を吐き出した。

「恋っていうものに年齢なんざ関係ねぇのさ。」

こいつ――――近々結婚するというだけで長年の経験者のような口ききやがって。それから三納の話はのろけ話へとそれていった。
それを上の空で聞いていた僕は結婚式の時、新曲を捧げるという話にも承諾してしまった。

ああ、ついていない。

「一曲捧げる」というのは、別に僕がシンガーソングライターなんていう洒落た職についているわけではない。趣味でちまちまと曲を作って友達に聴かせているのだ。

それにしても弱ったな。三納への曲をどうしようか…。そうだ。彼女。「窓辺の彼女」を見ていたら何かひらめくかもしれない。
そうやって自分なりの理屈をこねて仕事の帰りがてら洋館へと歩いていった。
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