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□好奇心でかまわない
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「骸。俺、お前が好きかも」
俺の一世一代の告白は、

「はぁ!?何言ってるんですか?」
バッサリと切り捨てられた。


好奇心でもかまわない


「骸と居るとドキドキするんだ」

「それは殺されないか。という恐怖の所為でしょう」

「骸から目を離せなくなるんだ」

「それは目を離した隙に後からグッサリ刺されないか。という疑念の所為でしょう」

ああ、まるで赤頭巾の問答のようだ。

「お前の事が好き」

「僕と君は死と生をかけた死闘をした。
そのドキドキ…緊張感に擬似恋愛の感覚を抱いただけでしょう。
所謂、吊り橋効果と言う奴です」

「お前の髪に肌に触れたいと思う」

「それは、ただの好奇心でしょう」

呆れる彼の艶やかな青髪に手を伸ばす。

指が触れるその刹那、

「そうそう『好奇心は猫を殺す』と言いますよ」

俺を見据えて失笑しながら彼は言う。

ああ、その瞳に射貫かれるのなら

「いっそ殺されてみるのも、いいかもしれないな」

「何を馬鹿なことを…」

髪では無く、赤くなった骸の頬に触れ、口付けを落とす。

これがただの好奇心だとは思わない。

「…な!?」

「骸。お前が好き」

でも君がそう思うのなら、それでもかまわない。

だって君を『好』きって言う

『奇』妙な俺の『心』。

『好奇心』は、俺自身。

そして『猫』は、君。

「ねぇ。だから俺を好きになってね」

早く俺に落ちてよ!!

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