復活

□あなたを忘れない
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昔から体が弱くてずっと入院している私

病室の窓から外を眺めていた

綺麗な夕焼け

オレンジ色の光が病室を染め上げる

変わらない景色に飽きてしまい、何もやることがない

そんな時、一羽のフクロウが窓のふちにとまった




「…フクロウ…?」




そのフクロウは小さな花をくわえて、私の隣にある棚にとまった

フクロウと目が合うと「手を出して」と言われてるみたいだった

それに逆らえず、無意識のうちに手を出していた

くわえた花をそっと置き、フクロウはどこかへ飛び去ってしまった




「…この花なんだろ…」




ゆっくりとその花を眺めていると、看護婦さんが入ってきた

フクロウの事を話していたら、この花について教えてくれた


花の名前は勿忘草



花言葉は「私を忘れないで」





花言葉がどうしても気になって、すっきりしなかった

どうしてフクロウは、私にこの花をくれたんだろう…?









そして、夢を見た

見覚えのある顔

私の大好きな人

その人が私に近付いて、フクロウがくれた花と同じ花を渡してきた

そして、その人は言った




「Arrivederci…」









目が覚めると、悲しみが込み上げてきた

目からゆっくり涙がこぼれる

起き上がり、小さな花に飾られている勿忘草を手にとって、大好きな人の名前を呟いた




「……骸…」




言うと、さっきよりもたくさん涙が出てきた

全部分かってしまったから

骸と約束したことを思い出してしまったせいで


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