ラブ★コン二次創作・2

□我侭2
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「・・・子供みたいなこと・・・て、なによ」
「知りたい?」
「・・・えっと・・・」
 気がつけば、大谷の腕に力がこもっているような気がして。
 リサは思わずエヘヘと愛想笑いをする。
 大谷はそんなリサの唇を奪うと、そのまま2人して床に倒れこんでいったのだった。


 ・・・が、大谷がわずかにリサから離れた瞬間。
 リサは両手で大谷の唇を押さえた。
「・・・アカン。やっぱり今日はアカンよ」
「なんで?」
 大谷はリサを見る。
「だって・・・」
 そう言いながら、リサは壁を指差した。
 その方向には、弟・隆人の部屋がある。


「・・・今日、部屋におるもん、隆人」
「そーなん?」
「そうなの!だから・・・」
「ふぅーん」
 それでも大谷は笑顔のままリサを見ていた。
 そして、ポツリと呟く。
「・・・なら、しゃーないな」
 その大谷の言葉を聞いて、リサは立ち上がろうとした。
 しかし、少し浮いたリサの肩を、大谷は押さえつけてしまった。


「お、おー・・・たに?」
 リサは驚く。
 それどころか、大谷の顔がさっきよりも近づいていることに焦った。
 そして、慌てて顔を横に逸らす。


「ちょ、ちょっと・・・隆人おるん」
「いま聞いた」
「・・・あ、あと下にオカンもおるし」
「そうなんや」
「せやから・・・だから・・・」
 それでも、大谷はリサの上に覆いかぶさったまま、動こうとはしない。
 いつもと違う大谷の態度に、リサは困惑の表情を浮かべた。

 なんで?
 いつもやったら、アカン言うたらすぐやめてくれるやん。
 ・・・なのに、なんで?


 そんなリサを見ながら、大谷はニカッと笑った。
「しょーがないよな?」
「・・・・・・・・」
 そして、大谷の笑顔につられて思わずリサも笑ってしまう。
 が、大谷はそのままリサの首元に唇を寄せる。


「んっ・・・・・・ちょっ・・・と」
 大谷の吐息に思わず反応してしまったリサは、大谷の身体を押しのけようとするも。
 大谷はびくともせず、幾度となくキスし続ける。
 そして、繰り返されるキスと大谷の熱い吐息に、リサの身体は、徐々に力が抜けていき。
 そのタイミングを見計らっていたかのように、大谷がリサの耳を甘く噛む。
「ぁ・・・ん・・・・」
 思わず声を出してしまったリサは、ハッとして自分の口を押さえる。
 大谷はそんなリサを見ながら耳元で囁いた。


「隣の部屋に、弟くんおるんやろ?」
「い・・・る」
「下にも、親がおるし」
「そ、そやから・・・」


 大谷は少しリサから身体を離すと、真正面からリサの顔を見つめた。
 そして。
 もう一度ニッコリ笑った。


「我慢せなアカンよな」
「・・・え?」
「声、出すの」
 その言葉の意味を、リサはすぐに理解できなかった。


「言うたやろ。オレ年下やって」
「うん・・・」
「子供やからな、オレは我慢できへんやん?」
 楽しげな顔をする大谷を見ながら、リサはボーっとした頭で考えた。

 ・・・子供やから、我慢できない・・・?
 我慢?
 何を我慢すんの?
 声?声を我慢・・・・・・・・


「ちょ、ちょっと待って・・・」
「・・・そうすると、おまえが我慢するしかないやん?」
 リサの言葉も聞かずニコニコしている大谷の顔を見ながら、リサはおそるおそる言った。
「・・・あの・・・それって・・・」
 返事をする代わりに、大谷はリサの頬にキスをする。
 リサは顔を赤くしながらも、首を何度も横に振る。


「ア、アカンよ!?無理、絶対無理!隆人に聞こえる!」
「だから、我慢せなアカンよなって。大声出すなよ」
「いや、そういう話と違くてっ!」
「平気やって、ほら・・・」
 慌てまくるリサとは対照的に落ち着いた様子の大谷は、リモコンのスイッチを押して、テレビをつける。
 音量はいつもより大きめだ。
「これなら、ちょっとぐらい平気やろ?」
「・・・なっ、なに言うてんの!無理やってーー!」
「オレ、我慢できん言うたやろ?」
「ちょ、ちょっとー!!」




-----しばらくして。
「さっき言うたこと、取り消す」
 リサは布団から顔だけ出して、ふてくされた口調で言った。
「さっき言うたことて、なんや?」
「ぜーったい、ぜーったいに大谷の方が年下やわ」
「あぁ、それか・・・」
 大谷はリサの顔にかかった髪を払い除けながら、鼻先まで顔を近づける。
 そして、上目遣いにリサを見て。
「そんなに・・・・嫌やった?」
 少し切なげな顔をしながら、呟いたから。
「・・・・・・そんなん・・・聞かんといてよ・・・」
 そう言うと、リサは大谷の頬に軽くキスをし、顔を真っ赤に染めながら、もう一度布団にもぐりこんだ。
 大谷は一瞬きょとんとした顔をしつつも、すぐに笑顔になり。
 ゆっくりと布団を剥がすと、リサをぎゅっと抱きしめた。



END


 (2008-2-7)
 

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