ラブ★コン二次創作・2

□ラブラブファンタジア
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 久しぶりのデートで大谷の部屋に遊びにいったリサは、一人でゲームをしていた。
 大谷はパソコンに向かい、必死で課題のレポートを作成している。

「・・・課題?」
「ほんまごめん。あと2時間・・・いや1時間半あれば終わるから」

 それは、明日提出の課題で。
 リサが遊びに来る直前まで、締切日を勘違いしていたのだという。
 邪魔になるならと帰ろうとしたリサを、大谷は引きとめた。
 リサは少し考えて、課題が出来上がるまで部屋で待っていることにした。
(ゲームすんのも、邪魔になってる気がしなくもないねんけど・・・)
 そう思いながらも、音はヘッドフォンで聞きながら、リサはゲームをして時間をつぶしていた。



 そして、2時間後-----。

「終わったーーーーーっ!」
 急に叫び声をあげた大谷を、リサはビクッとして見た。
「課題終わったん?」
「やっとできてん!あー疲れたーー!!」
「お疲れさん」
 ニコニコしながら、リサが大谷に近寄ると。
 大谷は首を左右に動かしながら、両手を上げて伸びをする。

「悪かったな。せっかくのデートやったのに」
「別にええよ。課題の方が大事やろ」
「・・・これ提出できんかったら、単位もらえないねん」
「ほな、これでひと安心やん!よかったな。出来上がって」
 まるで自分のことのように喜ぶリサを見ながら、大谷もニコッと笑う。
 そして、ゆっくりと振り返ると、リサの真正面に立つ。

「ほな、おとなしゅー待ってたから・・・」
「ん?」
「ご褒美やるわ」
「へ?」
 そう言うと、大谷はリサの頬に手をそえ、軽くキスをする。
 突然のキスにリサは驚き、思わず後ずさりする。


「きゅ、急になにすんよ・・・!」
「いや、ええ子で待ってたなぁ思て」
 大谷はププッと笑いながら、リサを見る。
「ちょっと!なんかからかってんとちゃう!?」
「そんな訳ないて」
 それでも、笑い続ける大谷を見て、リサは唇を突き出して膨れる。


「でもあれやなー」
「・・・なによ」
「おとなしく待ってる間、こんなんやってんのが納得いかんわ」
 大谷は軽く溜息をつきながら、さっきまでリサがやっていたゲームを指差した。
「・・・・・こんなんって・・・ゲームしてただけやん」
「てか、なんでこんなん持ち歩いてんねん」
「だって、大谷かて持ってるやろ。DS」
「DSちゃうわ。ソフトの方や、ソフト!」
「へ?だって、もうちょっとでクリアできそうやねんもん!イベント全クリやで!?」
「そんなん聞いてへん。なんでそんなん持ち歩いてんねん」
「えっ・・・と」

 リサはゲームソフトをじっと見る。
 タイトルは「ラブラブファンタジア」
 リサのだいすきな、ケイン様の出てくるゲーム。

「・・・・・・・もしかして、もしかしてやけど」
「なんや」
「おーたにくん、ヤキモチやいてんかなぁ?」
 ニヤニヤと笑いながらリサが言うと、大谷は少し頬を赤く染めながらも、ふてくされた顔をする。
「アホか!そ、そんなゲーム、キモイ言うてん・・・」
「別にええやん。あたしが一人でやって楽しんでんやもん」
「・・・・・あっそ」
 そう言うと、大谷は頬を膨らませて、リサに背中を見せた。


「・・・おーたに?」
「・・・・・・・」
「なぁ・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・怒った?」
 少し甘えた声を出してみたものの、背中を見せたままの大谷に、リサは苦笑いする。
 そして、ためらいがちに背中に抱きつくと、後ろから大谷の顔を覗きこむ。


「・・・・えっと・・・」
「・・・・・・・」
「ごめん・・・な?」
「・・・・・・・」
「からかった訳ちゃう・・・・・・・・・・へ?」

 不意に大谷が振り返ったと思うと、リサは肩を押され。
 気がつくと仰向けになっていた。
 横になったリサの首を真ん中に、その左右の床に大谷は両手をつき、リサの顔を真上から見つめる。
 至近距離にある大谷の顔に、リサは顔を赤らめた。
 すると、大谷はまるでイタズラをする子供みたいな楽しげな顔をして。
 その短い髪が、リサの顔にはらりとかかる程に近づく。


「おー・・・たに?」
「でも、あれやな。しゃーないもんな」
「え?」
「オレがかまってやれなかったから、寂しかったんやもんな。だから、あんなゲームして・・・」
「えっ・・・と、大谷なにを・・・」
「そんなに寂しい思いさせてん。オレ、反省しなきゃだよな?」
「へ?」
 そこまで言うと、大谷はニカッと笑いながらリサの耳元に唇を寄せ、甘い声で囁く。


「・・・寂しないようにしたるから」
「え?あ、あの・・・おー・・・たに・・・!?」
「今日はかまってやれへんかったしな。オレ、めっちゃええ彼氏や」
「ちょ、ちょっと待って・・・・んっ・・・・」

 大谷はなにか言いかけたリサの唇を塞ぎ、深い口づけを交わす。
 その甘く優しい口づけに徐々に力を奪われていったリサは、そのまま大谷に身を委ねたのだった。



END


 (2008-3-11)

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