ラブ★コン二次創作・2

□久しぶりの再会
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「のぶちゃーーーんっ!!!」
 

 空港のロビーに、懐かしい顔を見つける。
 顔を目一杯ほころばせ、背の高さで遠目からでもすぐにわかる。


「時間ぴったりやな!」
「よかった〜バス遅れそうになってん。待ち合わせに間に合わんかと思った」
「まぁ、リサが遅れんのはいつものことやけど」


 そう言って、思わず顔を見合わせて笑う。
 
 
 ああ、帰ってきたんやな。
 やっと大阪に帰ってきた。
 
 北海道の2年間は、楽しかったけど。
 あっちでは関西弁は、あたしとばーちゃん以外誰も話さんねん。
 だから、普通に話せるだけで、すごい安心できる。
 この漫才みたいなノリも、全部めっちゃ懐かしい。
 電話で話してても、やっぱり会って話すのはちゃうもんや。


「ごめんなー大谷来れんくて、車・・・出せんかった」
「別にええよ。帰ってきただけやし」
「あ、ほら荷物荷物。半分持つで」


 あの頃となんも変わってない、懐かしい空気。
 ・・・なんも・・・?

 大きなボストンバッグを持ちながら、あたしの半歩前を歩くリサは。
 相変わらずの背の高さと髪のおだんごと。
 せやけど、なんやろ。
 ・・・・・・・・。


「リサ、大谷君とうまくいってん?」
「えー?あーまぁまぁかな」
「そうなんや」


 そう言って、照れくさそうな顔をして振り返るリサ。

 ああ、そうや。
 やっぱり。


「なぁ、リサ」
「ん?」
「・・・いま、めっちゃ幸せやろ?」
「へ?」


 いきなりの言葉に、リサは少しきょとんとした顔をする。
 せやけどな。


「リサ、めっちゃ女らしゅうなった」
「はいっ!?」


 慌てまくるリサが、なんやおもろい。
 けど。
 ほんまやで。

 最後に会ったんはいつやったろ。
 その時かて、ゆっくり話もできんで。
 あたしも慌しい帰省やったから、周りに目を配る余裕もなかってんけど。

 高校の時は、「精神的にチチ出せ!」言うてけしかけたんけど。
 いまは、そんなん言われへんわ。
 あれから2年経って。
 あたしも色々あったけど、リサもきっと色々あって。
 
 リサがこんなに女らしゅーなったんは・・・
 誰のせいでもなく。
 ・・・大谷君のせい。

 

「・・・のぶちゃん?」

 しばし思いふけっていたあたしは、リサの声にハッとする。



「あっ・・・あーそうや!リサ、うち寄ってくやろ?ダーリンも後で来る言うてん」
「中尾っち来るんや。感動の再会やん!」
「まぁな・・・って、そうやなくて。大谷君も呼んで、夜ご飯食べいかへん?」
「あ、それええなぁ!ほな、あたし大谷に連絡してみるわ」


 電話をかけるリサを見ながら、あたしは思わずクスッと笑う。

 話す仕草や、歩き方。
 それから、大谷君の名前を言う時のリサの顔!

 傍におったら気づかれへんかもしれんけど。
 めっちゃ可愛らしゅーなってん。
 女らしいやん。

 くっつくまで、あーんな大変やったのに。
 めっちゃいい女になるぐらい、大谷君に愛されて。
 薬指に光る指輪かて、昔に比べたら、今はめっちゃ馴染んでて。
 ほんま、恋愛って人を変えるわ。

 
「のぶちゃん!大谷も、後もうちょっとしたら来れるって!」
「そっか。ほな行こか」


 あたしがニッコリ笑うと、リサも笑い返す。
 

 夜ご飯、めっちゃ楽しみや。
 ・・・色々聞かなアカンことあるしな! 



END


 (2008-4-22)
 

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