ラブ★コン二次創作・2

□Confession
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★12月28日 OTANI & RISA


 お見舞いに行くと、小泉はまだ寝込んでん。


「調子は?」
「うーん、いまいち。咳がとまんないねん。声も変やろ?」


 この前よりも余計ひどくなった小泉のガラガラ声。
 お見舞いのアイスを食べながら、何度も咳をする。


「でも、寝てばっかやと飽きるやろ?」
「そやねん。かといってずっと起きてんのもつらいし」
「そう思て、2つめのお見舞いや!」


 オレが差し出すCDを、小泉は目を輝かせて受け取った。


「こ、これは!」
「みて驚け!海坊主、新作アルバム!!」
「マ、マ、マジで?!」
「フライングでゲットできてん。オレもまだ聴いてへん」
「だって発売日って元旦やん!大谷めっちゃエライ!すごい!」
「もっと言うてもええで?」
「てか、はよ聴かな!!!!大谷も一緒に聴くやろ?」
「そのつもりや!」
「ほなケースから、はよCDだしてー・・・あ。」


 いかにも、なにかあります・・・的な小泉の言葉に、オレはCDをケースから取り出そうとする手を止めた。


「あ。ってなんや。途中で切れたら気になるやんけ」
「そ、そやなぁ・・・えっと・・・」
「なんやねん」
「・・・あのな?あたし夕方から出かけんねん。だから、あんまりゆっくりできひん」
「出かけるって・・・おまえ風邪ちゃうんか?」
「あー・・・えっと。そうなんやけど・・・」
「まだ治ってないって、今さっき言うてたやん。出かけんとおとなしゅー寝とけ」
「それはあかんの。約束してんから」
「・・・約束?」
「い、いや・・・なんでもない・・・」


 オレは小泉の額に手をあてた。
 突然のことに、小泉は目を丸くして驚く。


「・・・まだ熱あるやん」


 オレの手を払いながら、小泉は後ずさる。
 こういう態度、なんかひっかかんねんけど・・・
 オレが気にしすぎ・・・? 


「風邪って治りかけがいちばん大事なんやぞ?」
「そんなん・・・しっとるけど」
「てか、そんなに大事な用事なんか?」


 小泉はオレから視線を逸らす。
 その態度に、オレもつい意地になる。


「別に今日やなくてもええんやろ?」
「でも・・・」
「風邪こじらす方が、ヤバイやん」
「いや、もう治りかけてんし・・・」


 オレの心の中で、なにかがむくむくと大きくなってくる。


「誰と約束してん?」


 それは自分でもびっくりするような低い声だった。
 言われた小泉も、目を見開いてオレを見てる。


「・・・友達、うん」
「風邪ひいてても、会わなアカンの?」
「いや・・・だから。それは・・・」
「友達なら、今日は無理や〜とか言えるやろ?」
「・・・大谷、あたしが出かけんの反対?」
「反対や。病人やん、おまえ」
「でも、治りかけやで?」
「いちばん大事やろ。治りかけの時期が」
「心配し過ぎやって。な?」
「心配したらアカンか?」
「・・・そんなん言うてないやん。心配してくれんの嬉しいけど・・・」


 結局、小泉は出かけていった。
 約束の相手が気になって、こっそり後をつけたオレが見たのは。
 先日、小泉にプレゼントを押し付けてきたヤツだった。
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