比嘉

ゴーヤ嫌いになったワケ。
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ゴーヤ嫌いに
   なったワケ。








部活後でへとへとになった体を容赦なく照らしつける太陽から逃れる様に入った部室での出来事だった―――




「ふーぅ暑い―。…あい?木手?なにしてるんだばぁ?」

帽子を取って汗を拭う甲斐の目に飛び込んできたのは、何か紙を見ながらゴソゴソと作業をしている木手の姿だった。

「スポーツ後の体力回復によいという飲み物の作り方をサイトで見つけましてね。試しに作ってみようと思ったんですよ」

平古場はペットボトルに口をつけながら木手の手元にあった紙を見る。

「んー?何々?『特製野菜汁 私がオリジナルで考えたこのドリンクは、栄養も考慮しており、効果はバツグン。味の方はと言えば』―…アレ?おい永四郎、ここ印刷かすれてるぜ」

「プリンターの調子が悪かったんですよ。まぁ材料と作り方はしっかり出ているから支障は無いでしょう」

「ふーん。ピーマン・キャベツ・ほうれん草…。…ん?木手、これゴーヤだろ?」

「見れば分かるでしょう」

「レシピにはゴーヤなんて入ってないぜ?」

「ゴーヤに含まれる栄養は素晴らしいのでね。オリジナルのアレンジですよ。ただ真似するだけなら能がない」

「俺、わりとゴーヤ好きだぜ」

「サイト運営者…INUI?栄養士か何かか?」


そんなたわいもないことを話しながら木手がサイトで見つけたという特製野菜汁の制作が続けられていった。




が、しかし。
この時あったゴーヤは2本。
しかも特大サイズ。


完成した時の甲斐たちの表情が想像できよう。


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