比嘉

□夏の終わり
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「あの女さ…」

「んっ?あぁ…」

顔はこちらに向けていないが、声は俺に向けて発せられた。

「あの女、『もう全国大会終わって、平古場君部活で忙しくないよね?ずっと好きだったの。付き合ってください』って言ったんだよ」

「…?うん」

「俺はこれから受験勉強しなきゃならんし、今日会ったばかりの奴とは付き合えんって答えたんだよ。そしたら…」

「……」

「……」

「…逆ギレでビンタ?」

凛の頭がわずかにコクリ、と前に倒れた。




「な…何だぁー凛ーっ。告白って…自慢かよ―」

俺はこの重い空気を何とかしようと、わざと明るく振舞ってみた。
でも、俺の心の中にある一言が引っかかっている。






―もう 全国大会は終わった








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