比嘉
□もう少しだけ
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「しっかし…早さよ―。明日でわったーも卒業さ―」
「だな―」
制服のズボンをたくし上げて、わんと凛はバシャバシャと海辺を歩く。
「あのね、君たち。そう思うなら その行動止めなさいよ。卒業式に風邪ひく気ですか」
「へ―きだって永四郎―。そんなにヤワじゃね―よ」
「……」
「永四郎、馬鹿は風邪ひかんから大丈夫さ―」
「「知念っ 聞こえてるぞ!!」」
「あいっ」
「ぶあっはっはっは」
「笑うなデブ―!」
「ぬーやん コラァ―!!」
「平古場君…そんなにゴーヤーが食べたいですか?」
「ゴーヤーは勘弁っ!ごめんなさいっ!!」
「あははっ 凛、必死さ―」
目の前の日常に笑う。
もう少しで変わっていく日常を。