Short novel
□名月の出会い
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「はぁ〜。かっこいいわよね。ステラちゃんの保護者の人。パパって事はお父さんなのよね〜。残念。彼の奥さん見てみたいわ」
ラクスは後ろで話す年配の保育士にステラの事を聞く。
「ステラちゃんのお父さんなのですか?あの人。でもステラちゃんは違うって」
するとその保育士はステラのことをラクスに教える。
なんでもステラが入園した時からステラの母親の姿を見ていないとか。
ステラは途中入園で、入園する時もその男性が連れてきたという。その男性の名はキラ・ヤマト。諸事情でステラとは性が違うそうだ。
「離婚したとか、ですか?」
「それが分からないのよね。そこまで人の家庭事情に突っ込んで聞かないから。一体いくつの時の子なんでしょうね。この入園申込状を見る限り10代なのは確実よ。だって今彼24だもの。上にもまだお子さんがいるみたいだし、ステラちゃんの事を単純計算しても19、20で作ったと考えるのが妥当でしょ?若気の至りってところなのかしら」
そう言う保育士の言葉に納得した。
ラクスは若くして父親になったであろうかの人を思い浮かべる。確かに保育士達が騒ぐだけあって綺麗でかっこいい男性だった。それに子育ても大変だろうがあのステラの懐き様からして良いお父さんをやっているのだろう。彼が未婚だったら狙われるのはわかると思う。自分でもその瞳にやられてしまったのだ。未婚で子供がいなければ狙っていたかもしれない。子持ちなのが残念だ。
ラクスは知らず知らずのうちにそう思った。
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