Short novel

□名月の出会い
4ページ/22ページ





 その出会いから数日、やはり最後まで残ったのはステラだった。



 いつも迎えに来るのはそのキラ一人。未だにステラの母親という人は一度も見た事はない。いつも父親であるキラが迎えに来ていた。



 今日はいつもの時間になってもまだかの人はステラを迎えには来ず、時間はとっくに閉園時間を過ぎていた。

 このままでは延長保育となる為、残業となってしまう。他の保育士達は家庭がある為、先に帰って行き、残ったのは園長とラクス、そしてお迎えを待つステラだけになった。



「ステラちゃん、早くお迎えが来ると良いですわね」



 一人、積み木で遊ぶステラにラクスは声をかける。


 ステラは他の園児達とあまり交流を持とうとしない。いつも一人でお絵かきをしているか積み木で遊んでいる。他の子に誘われると一緒に遊ぶが、自分から誘って遊ぶという事はしない。大概一人で居る事の方が多い。

 ラクスはそんなステラの行動が心配で常に気に掛けてみていた。








「おい、ステラ。迎えに来たぞ。今日、キラの奴、残業する事になったから早く帰れないそうだ。帰るぞ」



 その日はいつも来る男性、キラではなく、今日は小学生2人がステラを迎えに来た。











次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ