The oath of the star

□My beloved lover
4ページ/12ページ



「キラ?本当に寝てしまわれますの?せっかく大人のお遊びをしようかと思いましたのに残念ですわ」


 心底残念そうにつぶやくその発言にギョッとして飛び起きる。


 ちょっと待て。


 この大変な時期に何を言い出すんだ。


 今、やっと停戦したばかりだと云うのにそんな不謹慎極まりない事できるわけがない。

 誘われて嬉しくないと云う訳ではけしてない。だがそれとこれとは別問題。自分の抱えている業や彼女の事を想うと誘われたからはいそうですかと抱けるわけない。

 それにここは医務室だ。いつ、誰が来るとも限らない。そんな場所でラクスを抱くなどと云う事は出来ない。いや、それ以前に他の人間に彼女のそう云う女の部分を見せたくない。抱かれている時のあの妖艶な彼女の女の部分は自分だけが知っていれば良い。


「ちょっとラクス。お、大人のお遊びってまさか……だって今やっと停戦したばっかりなんだよ?それにここ医務室でいつ誰が来るかわからないのに………それに……不謹慎だ」


「だからですわ………お部屋はわたくしのお部屋に移動すれば良い事。それに今回の戦闘、停戦に持ち込めましたがこれから先どうなるかわかりませんわ。わたくし達は国を追われ、反旗を翻した反逆者も同じ。キラは正式なオーブ軍の准将ですがわたくしたちクライン派の者は裁かれるでしょう。そうなった場合お沙汰次第ではもう二度とキラには会う事が出来なくなってしまうかもしれないのです。プラントに向かっている今、この時しか時間はないのですわ」


 プラントと真っ向から敵対する姿勢を見せたクライン派。それは反逆罪としてとらえられても仕方のない事。いくらデュランダルの暴挙を止めるという名目でもあの時の彼の存在感と世界的地位は支持率から言って彼の方が上だ。自分のわがままを貫き通したように見られてもおかしくはない。ラクスはデュランダル率いるプラントが敵とみなしたオーブに身を寄せている。その状況はオーブに寝返ったとしてとらえられても致し方がない。

 いったいどう云う審判が下るかわからない。もし最悪の審判が下るとしたらそれは極刑。そうなれば二度と会えない。今のひと時を逃せばもう二度とキラと一緒にいられない。触れ合えない。









 彼を感じられない―――――










 ならばそうなる前にキラと―――――















次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ