The oath of the star
□My beloved lover
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でも滅多に求めてこない彼。悪夢に魘され、自分のぬくもりを求めてきた事はあってもそれは悪夢から逃れるため。彼が本気で自分が欲しいと躯やその存在、心を求めてきたのはあの一回きり。
だからこそ不安になる。
彼が求めているのは守る対象としてのラクスだけなのだろうかと。
彼を知れば知るほど、愛すれば愛するほど不安は増大していく。
そんな事はないとわかってはいても彼の態度がそう思わせる時がある。
もし守る対象だけが欲しいと云うのであれば彼は自分を抱いたりしない。悔しいけれど過去の傷がそう云う事をするのを避けるように彼を突き動かす。
だからこそなかなか自分を抱いてくれなかったと云うのに。
彼に抱かれると云う事は彼に女として意識され、愛されているという証拠。
わかっていても彼の中にある戦火と罪の業火が彼の心を焼き、傷めつける。そしてその炎は彼を捉えて離さない。その業火の炎の一つが彼を優しく束縛する枷となる。
燃える様な髪の女が彼の心の中に住み着いて彼の痛む心を解放してくれない。
ただでさえ生まれ持った罪業により、罪科の炎で焼かれていると云うのに復讐のために彼を利用し、地獄に突き落とした女は死んでもなお彼を捕らえて離さない。彼の心に住み着いた炎。その炎は自分の嫉妬の炎を燃え上がらせる。
彼に見つめて欲しい――――
愛して欲しい――――
辛い事を忘れて自分だけを見て欲しい―――――
願いと欲望は常に積み重なり、自分の心を醜くしていく――――――