The oath of the star
□My beloved lover
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彼の躯を知っている女は自分だけではない。復讐のために彼に近づき、その躯を開き、彼に一時の癒しを与える代わりに地獄に突き落とし、今もなお彼の心に鈍い痛みを与えている女も彼の躯を知っている。
でもそれは過去の事。
今は自分だけしかいない。
そして彼がどんな理由や状況があったにしろ、今の彼が抱く………抱けると思う女は自分だけ。
そう云う優越感だけが今の自分を支えている。
それに彼女はキラのあの暗く冷たい闇を知らない。
彼を地獄に突き落とした女はもういない。
でも彼はその女を一生忘れる事はないだろう。
彼女を抱いたのは愛していたからと云うわけではない。一方は復讐、もう一方は懺悔、互いの思惑を察していながら関係を持ち、傷をなめ合っていた間柄。
それでも最終的には別の感情を持って彼に痛みを与え、彼の心を捕らえて離さない女。
自分も彼女のように消えてなくなれば彼は自分を追い求めてくれるだろうか?
そんなばかばかしい事さえ思いついてしまう。
彼の心の傷の事を思えばそんな事できはしないのに―――――