Mine thing novel
□Sudden confession
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Sudden confession
キラとラクス、アスランとカガリが遊園地に遊びに行った翌日。
いつもの通り学校に行ったキラは、教室に入るなり中学時代からの友人トールに肩を組まれながら話し掛けられた。
その悪戯を思いついたようなトールの表情にキラは嫌な予感がする。
昔からトールがこんな顔で話しかけてくる時はろくなことにならない。
そしてその予想は、キラにとっては思いもよらない方向で当たることになる。
「お前、昨日2年のクライン先輩と遊園地でデートしたんだって」
トールとしては噂の真相を確かめたいというものあるが、何より女の子に人気があるくせに今まで女っ気の無かったキラが、女の子と遊びに行ったということはそれだけでも大いにネタになる。
何より2年のクライン先輩と言えば、学校でも噂の美人で憧れる男子生徒は多いと聞いている。
だとすると相当に面白い話に発展する予感がする。
ならばこれに飛びつかない手は無い、と言う訳だ。
問われたキラ自身にはデートをしたという認識も無かったのだが、ラクスが昨日の帰り際に今日はデートみたいで楽しかったですわと言っていたのを思い出したキラは、あれはデートだったのかと妙に納得した気持ちになった。
しかしそれより何より、何故それをトールが口にしたのか。
自分はそんなことを一言も言っていない。
それもそのはず、学校には今来たところなのだから、誰にも言いようが無い。
だから自分がデートをしたのかどうかよりも、そちらの方が余程気になる。
「何でそれを知ってるの?」
純粋素直なキラは、素っ頓狂な声で思わずそう口走った。
それがトールの言ったことが事実だということを如実に語っている。
トールとキラのやり取りに聞き耳を立てていた他のクラスメイト達も、キラの反応に一層色めき立ち一斉にキラを取り囲んだ。
あの鈍感キラにもついに春が来たかと、朝一番のクラスの話題を掻っ攫う。
密かにキラを狙っていた女子生徒など、ショックのあまり泣き出してしまった子もいたほどだ。
とにかく教室の空気が、しーんと固唾を飲んでいたものからとてもざわついたものに一変した。
何よりその空気に戸惑ったのはキラ自身だ。
様々な意味の込められた視線が全て自分に注がれ、とても居心地が悪い。
またその日の休み時間になる度に、ラクスとはどんな関係なのかやどこまで進んだかなどといった質問攻めに遭い、気の休まる時が一時も無かった。