Request novel

□T×Sの方程式
1ページ/12ページ


 受験シーズンの大詰め真近のこの夏。夏休みには夏期講習、模擬、補習授業と大学受験をする者は皆忙しいこの時期のこの夏が勝負。

 ある者は塾に通い、ある者は家庭教師をつける。自力で頑張って、分からないところは補習授業の際、教師に質問して頑張る者と様々だ。

 ここにいるのは2番目の選択をした者の部屋の中。只今受験勉強の最中である。



「…だからこの解にさっきのを代入すると…」

「あ、分かりましたわ」

「ね、後は計算していくだけ。数学なんて公式さえ覚えてたらなんとでもなるよ」


 1人の男が制服姿の女の子に数学を教えている。どうやら彼女は数学が苦手なようだ。


「数学とはなんでこんなに難しいのでしよう。分かりませんわ」


 少女、ラクスが額にしわを寄せて考え込みながら漸く何問かの問題が解けたようだ。それを添削しながら事も無げに言い切る男、キラの姿があった。





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ