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□盛夏際 〜追憶の夏 〜
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早く流れるその文字の羅列はラクスにでも分からない。
元々キラのプログラムは独創的過ぎて、一般の者では理解ができないとアスランは言っていた。アスランでさえ、いまだキラの思考回路とキラの作り出すプログラムの内容を理解し切れていない。
専門ではないが、ある程度の知識しかないラクスや全くと言って云い程のカガリではキラのその作業は分かるはずはない。
昼も夜も休まず、たまに海を眺めては又パソコンに向かい、食事時に少し顔見せ程度にいて、殆ど食べず、また部屋に篭ると云う日々が続く。その事をカガリに相談する。
「はい。最近では食事とは言えない様な食の細さで、お食事ができてキラを呼ぶのですが、殆ど口になさいません。此方が話しかけても最近では全く反応もない状況で…」
ラクスはそんなキラが心配でたまらなかった。常夏の国のオーブの夏は暑く、このままでは倒れてしまうのではないか。と危惧していた。
「大分立ち直ったと思っていたのにな。だが、食べないと体に悪いぞ。一体何日ぐらい食べてないんだ?」
「ここ1週間はまともに食べていらっしゃいませんわ。この2〜3日に至っては2口ほど食べていらっしゃるかどうか…」
「それは一食でか?」
カガリの質問にラクスは首を振る。
それは1日量だと言う事を指し示す。異常な程に食の細ったキラを心配するラクスが心配のあまり病気になるのではないかと心配する。
程なくして、ラクス達の心配は的中することになる。それはキラが行っていたものが何であるかカガリがモルゲンレーテで知った時であった。