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□彼の記憶と私の関係
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朝、目覚ましの音で起きたラクスは懐かしい夢を見た。
10年前、キラと別れるときの夢を見たのだ。その夢を見たのは何年ぶりだろう?
「懐かしい夢を見ましたわ。今、キラはどうしているのでしょうね…」
ラクスはキラからもらった(預かった)アメジストの原石を紐でつるしペンダントにしていた。そしてそれは肌身離さずずっと持っていた。
ラクスはそのペンダントをすると制服に着替え、学校へと向かった。そこにはいつもの友達がいつものようにラクスを迎えてくれた。
「おっはよー。ラクス。相変わらずのようね」
ラクスの友達の1人、ミリアリアはラクスの下駄箱を覗き込むなりその発言をする。
ラクスの下駄箱には3通の手紙が入っていた。どれも男から、つまりラブレター。ラクスはそのラブレターを鞄にしまいながらミリアリアに言う。
「おはようございます。ミリアリアさん。困りますわね、これを頂いてもわたくし、お答えできませんのに…」
心底困ったように言うラクスにミリアリアは意味ありげな笑いでラクスをからかう。
「そうよねー。ラクスにはアメジストの君がいるもんねー。誰からもらったか私達に言えない様な人なんでしょ?」
ミリアリアはラクスがしているアメジストの原石が初めて会ったときからしている事を知っている。
しかしラクスはミリアリアにも誰にもそのアメジストをラクスにあげた人の事は教えていない。
大事な人からとしか言わないのだ。それがますますミリアリアの好奇心を刺激する。