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□逆襲
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 とある部屋の一角でこそこそと話し合う人物達。実質的にこのアークエンジェルを牛耳っている……いや、指揮している二人のプライベートの空間に無作法にも入り込む様な無謀な事をする人はいない。穏やかな凪の海の様な二人。熟年夫婦の様な貫禄を持ち合わせているこの二人が彼らから流れてくる雰囲気の様に穏やかな時だけではないのはこのアークエンジェルクルー達には痛いほど身に沁みている事だった。この二人のプライベート空間に入る事は出来ない。それなのに声をひそめて相談している二人。


「……だと思うんだよね。どう思う?ラクス」


 なにやら深刻な話をしているようだ。これからの事を二人で相談しているのだろうか?キラの言葉を受けてしばらく考え込む様な表情を見せていたラクスはその問いに頷き、同意を示す。


「キラの言う事も一理ありますわ。ですがどうやってそれをいたしますの?」


 ラクスの問いにしばらく考え込んだキラだったが不意に何かを思いついたように妖艶な笑顔をラクスに見せると何かを耳打ちする。誰もいないのに耳打ちする必要があるのかどうかはわからないが彼らにとってはそれほど知られたくないような内緒の話なのだろう。ラクスはキラが耳元で言った事にしきりに頷きをし、パァーと花が咲いたような笑顔を見せた後何かを企む様な表情をキラに見せる。ここに他人がいれば恐れおののいて避難するだろう。彼らがこんな表情をするときは対外ろくな事がない。


「キラ?でしたら協力者は多い方がよくありません事?あの件に関して少なからずわたくしたちと同じような思いをしている者もいますわ。声をかけてみませんこと?」


 キラはラクスのその提案に頷くとにっこりとほほ笑みを交わし、それぞれとある人物達にその協力を求めに行った。









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