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□秘密の関係 〜 Scandal 〜
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 見合い話の含まれた商談を何とか潜り抜け、自宅に帰る。だが家には誰もいないはずなのに電気が付いている。消し忘れて出てきたのだろうかと思いながらドアを開ける。だが家の中には思わぬ人物が出迎えてくれていた。


「お帰りなさい。キラ」


「ラクス?なんで………え?だって鍵………」


 今日は家には誰もいないはず。両親はそれぞれ仕事に出かけ今日は帰ってこないと言っていた。だから誰もいないはずなのになぜかラクスがここにいる。ラクスに合鍵は渡していないのに。


「あら、その事ですか?叔母様が上がって待っていれば良いと上げて下さいましたの。その後そのままお仕事に向かわれましたわ。それよりもお食事はどうなさいますか?すぐに食べられるのでしたら温めますわ。それともお風呂を先になさいます?」


 まるで新婚の新妻がいうようなセリフを言うラクス。この後でそれとも私?と言わないあたりが彼女らしい。言ったら言ったで驚くがそう云うような女性ではない。そう思っていた。


「お食事の前にわたくしを食べられますか?」


「ラララララララララクス?」


「わたくしそんな変な名前ではありませんわ。変ですわね、フレイさんの話では男性はこう言えば喜ぶと仰ってましたのに…………」


 誰かの入れ知恵だったらしく自分の言った言葉に首をかしげている。意味をわかってやっているのかは定ではないが心臓に悪い。

 確かにラクスとはそういう関係ではあるがだからと言ってそれでがっつくほど飢えてはない。

 それにしても時々ラクスの口から出てくるそのフレイと云う女性はいったいラクスに何を吹きこんでいるのだろうか?仲が良い友人なのはわかるが余計な事を吹きこまないでほしい。


「フレイって人とずいぶん仲が良いんだね」


 どこの誰かは知らないがいつどこでそんな人物と出会ったのだろうか?


「ええ、フレイさんは以前キラの会社で受付嬢をしていた時に仲良くなったお友達ですわ。他にもミリアリアさんにカガリさんとも仲良くなりましたの。ミリアリアさんは違いますけどフレイさんも、カガリさんもお嬢様ですのにそんな風に気取っていませんでしたしとても気さくな方々ですわ。カガリさんなんてあのアスハ財閥の御令嬢ですのに全くお嬢様らしくなくて「アスハ財閥?ラクス、アスハ財閥の御令嬢と面識があるの?」………はい。あの?どうかなさいました?」


 友人談義の最中にいきなり飛び出してきたキラの言葉。カガリがいったいなんだと言うのだろうか?確かにアスハ財閥は有名だ。その有名な財閥令嬢がいたというのであれば驚くのは当然だ。だがその御令嬢を受付嬢として使っていたのは何を隠そうキラの会社だ。社長であるキラが知らないとは思えないのだが………









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