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□King Four Devas
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 四天王―――――




 四大元素火・水・地・風のこの四つの属性の持つそれぞれ特出した能力、または気質を持つトップにつけられる称号。

 別にこの力が使えるとかそう云う訳ではなく、それ相応の成績、技術、知識を納めた若手トップ四人をそれぞれの元素に当てはめてこう呼ぶ。

 これら四人合わせて現勢四天王と呼ばれる。そしてこの四天王は上層部とトップと先代四天王によって選出されたただの呼び名にすぎず、特権があるわけではない。だがこの四天王と呼ばれるのは大変な名誉であり、成績が優秀でエリートコースだと言われているのと同義語。故に若手でやる気のある者はこの四天王に選ばれるのを目標とする。

 これら四天王が存在する会社は世界有数の巨大組織エレメントクライシス。何万人と云う中から選ばれた四人しかこの四天王を名乗れない。そして四天王は必然的に本社にいる。

 その四大元素の頂点に立つ当代四天王は仲が悪い。水は地に理解を示し、火に呆れを抱き、風に疎ましさを感じる。地は風に敬愛をよせ、火と水を煩わしく思う。火は自由な風に憧れ地を嫌い、水とは相性が悪い。風はどこまでも自由でどの属性にも特別な関心を寄せない。ただ風のようにどこまでも自由に束縛を嫌う。そんな結束のない四人だった。










King Four Devas












 ラクスはあまり近づきたくはない部署1の開発部に用件があり会いたくない人物、風の四天王に会いませんようにと祈りながら開発部のドアを開けた。だが天は自分に味方することなく、会いたくない人物が最悪の状況で目の前にいた。そして最悪な事に開発部には当の風の四天王しかおらず、渡すものもその風の四天王に渡すものだからどうしても風の四天王に声をかけなければならなかった。

 もしここに他の人間がいたならばその人に渡すものを風の四天王に渡してもらえるように頼んでさっさと立ち去りたかったのだが、あいにく自分と風の四天王の間に入ってくれる人物はいない。挙句、自分にとって我慢できない最悪な状態を曝している風の四天王のこの状態に一言言ってやりたくて口を開いていた。











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