The oath of the star

□Photograph panic
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「な…にこれ…」


 言葉を失ったように呟くのは今をときめく白服のキラ・ヤマト。

 彼が言葉を失ってみているのは何時撮ったか知らないが自分の寝顔の写真集がテーブルの上にちょこんと置いてあった。

 朝、嬉々とした声で議長室に来て欲しいと夜勤明けの自分の元にラクス直々内線が入る。

 ラクスに呼ばれ議長室に入るが、肝心の呼びつけた張本人がいない。何気なく見渡せば、テーブルの上に写真集らしき冊子が置いてある。気になったキラは何気なく開いてみるとそこには寝ている自分の写真があるではないか。



 こんなものを何時撮ったのか…。



 写真構成から写りの良さ、明度、アングルの取り方から撮影したのはおそらくミリアリアなのだろう事は容易に予想が付くが、いったいいつの間に…。


















「あらあら、見つけてしまいましたの?」


 ラクスが後ろにいることも気付かずにキラは呆気に取られていた様で、その写真集に魅入っていた。


「ラ、ラクス?」


「ハイ?」


「こ、これ…いつ…」



 キラがさしているのは、花に囲まれて眠る自分の姿。こんな場所で寝た覚えの無いキラはラクスにその事をおそるおそる聞く。

 キラが指している写真……それは紛れもなくあのサプライズパーティーの時、遊びと称して本格的に撮ったキラの寝顔写真だった。キラに記憶がないのも無理はない。


「こちらの写真ですか?綺麗に取れてますわよね。さすがミリアリアさんですわ♪」


 キラの質問とは別の回答をするラクス。しかしこれでこの写真を撮ったのはやはりミリアリアだったと判明する。


「そうだね……じゃなくって、何時撮ったの?こんなのっ。ほ、他にも色々あるけど…」


 キラは何時の間に撮られたのか、マルキオ導師のところでの自室での寝顔や、木陰での転寝、AAの時の寝顔写真などが盛りだくさんある。


「これはミリアリアさんが撮り溜めたキラの寝顔写真集ですわ。近々発売されるそうですの。出来ましたら送ると仰っていらしたので出来上がった第1版を頂いたのですわ。もちろん、編集にはわたくしも関わっておりますわ。見せたくないキラの寝顔もありますもの。例えばこの様な物とか…」


 ラクスが見せたその写真にキラは顔を赤くしてその写真をひったくるように奪い取った。


「うわぁぁぁっ。な、何でこんなものが…。ラ、ラクスッ。なんでこんな写真があるのっ」


 顔を赤くするキラに、ラクスはさも当然と言う様に、言い放つ。キラの写真の元締めは自分だと。そのキラの写真を撮る事を許している写真家は今のところミリアリアのみだと。 









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