幻送


□番外編
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―ひそかな恋心―





嫌われた少女後半より







もう届かない。
あなたへの、恋心。





「蘭??どうしたの?蘭・・・蘭!」

「は、はい!なんでしょうか!」

「もう、聞いてるの??何回もよびかけてるのに・・・」

「すいません・・・でした。」



どうやら俺はぼーっとしていたようだ。
隊長に呼ばれてきずかないなんて。
副隊長失格かも。



「ねえ蘭。蘭には感謝してるんだよ?」

「なんですか、突然」

「んー・・・なんとなく。」



隊長がそんなこというなんて、めずらしい。
少なくとも、俺とあった時の隊長ではない。
だれが変えた?
いや、考えるまででもないだろう。

あいつだ。



「ねえねえ、これから冬獅郎に会いに行くじゃない?髪型、これでいいかしら。」

「隊長は、なんでも似合いますよ」

「もう、まじめに考えてる??」



考えていない。
しかし事実。
隊長は、なんでも似合う。



「大丈夫ですよ。似合ってます。」

「うーん・・・やっぱり変えてくる!いつもどおりにする!」



平穏な日。
隊長が笑っている。
これも、あの時、俺と会ったときとは考えられない。
それでも・・・



「蘭。私、蘭がいなかったら、今の私はないと思ってるから!」



それでも、俺といて、少しでもあなたの心がやすらぐなら、わたしはいつまでも、あなたの隣にいます。
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