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□そのまま狂ってしまえばいいのに
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私は一人の忍を従えて城を出て、手伝いをする事を条件として民家に住まわせてもらう事にした。

一日目は、何事もなく。
二日目に、忍は文を持ち帰ってきた。

「半兵衛様の遣いの忍より承りました」
そう言って渡された文には、心配だとか、そんな事が書かれていて。私は笑みを零した。

三日目から、半兵衛様が従える忍が様子を見にちょくちょくやって来ると、忍から報告を受けた。稀に半兵衛様直々に足をお運びになるとかで、私は、そう、と短く返し忍を下がらせた。
敷いた蒲団に身をくるみ、二日目に渡された文を見て、口角を吊り上げるように笑む。


(そう。そうやって私のことを気にかけてくださいな)
(私のことだけ考えて)
(私で貴方の頭を満たしてくださいな)

貴方には私だけが必要なのだと
(早く気付いてくださいね)
(それまで私は戻れないの)

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