(メイン) 工場でつくられた事実
□The Clear One
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緯
忘れるはずが無い
「もうあがりましょう」
牙筝（アジェン）が人間の声で言った。
「そうだな」
砕道（ソイド）は答える。
牙筝は、白い息を自分の手のひらに吐いて見せた。
人間らしく。
もう動くことのない緯の目を閉じて、
そして砕道は、緯を道路の隅に置くと、
歩いていった。
「サイトーさん」
また会えると、
信じていいですか・・・
ヒガシ人だろあいつ
いっぱい食べないと、大きくなれないよ
―師の愛人のくせに何を言う
ユウラ君は何がいい？今日の晩ごはん
―ヒガシ人は嫌い
「ツカネ・・・・・・
ミヤキ･イルの娘」
ぼそりと炉明は呟く。
ミヤキ･イル
このとき知らなかった。
それがヒュウだと。
それがセイル（誠累）、ヒスイだと。
―END―