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*アルエリ+ローエン
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それを見た瞬間、なんとなくエリーゼに似合いそうだな、なんて思ってしまって。
何度も露店を通り過ぎた挙句、店員に是非!とばかりに勧められて。
(そうだ、何でもないんだ。別に特別な訳じゃないし…)
手の中に握り閉めたヘアピンは、いかにもエリーゼが好みそうなレースのついた女の子らしいもの。
こんなものをアルヴィンがつけていたら、それこそジュード辺りに白い目で見られる。
だから、早くエリーゼに渡すべきなんだ!
なのに先程からエリーゼはローエンと何やら楽しそうに話しこんでいて、どうにも俺の入る隙間はなさそうだ。
というかローエン、どんな話題をしたらそんなにエリーゼを笑顔に出来るんだ。
「おや、アルヴィンさん?どうかされましたか?」
しかもお節介なことに、二人を何気なく傍観していた俺に声を掛けてくる。
「いや、別に……」
「何だかアルヴィン変です…」
こういう時だけ勘の良いエリーゼの視線に、思わずたじろいでしまう。
だって、おたく…なんでそんなに可愛いんだよ!
「あっ、そうだそうだ。これエリーゼ姫にやるよ」
こうなったら自棄だと思い、握りしめていたヘアピンをエリーゼに渡すと、キョトンとした顔でこちらを見つめてくる。
「これ、貰っても良いんですか…?」
「それはあれだ…。なんか安くなってて、無理やり買わされたやつだからな!」
「そうですか…、それでもとっても嬉しいです!」
ありがとうございますね、アルヴィン!
その天使のような微笑みに、ついつい年甲斐もなく赤面しそうになるアルヴィンだった。
(ってかオタク、何笑ってんだよ?)
(いやぁ、微笑ましいと思いまして…)
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