銀緑叢中、君を愛ス。

□4時間目
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――朝。

春夏秋冬問わず、俺達剣道部の朝は稽古から始まる。



「正面に、礼ッ!!!」

『ありがとうございましたぁッッ!!!!』



部長である近藤さんの挨拶で、今日の朝練は終了。


一端着替えて教室に戻り、授業を受けてからまた放課後練習に励む。
これがいつもの基本的サイクルだ。


しかし今日は始業式のみで終わるらしいので、午後一杯は時間を取ることが出来る。


…いや待てよ?

でも昼飯時の近藤さんは、とあるクラスメートの女子の尻を追っかけてるから、そう簡単に始まらないか。


そう言えば部室が随分と汚れていた気がする。
今日は練習前に掃除でもさせるか。



そう考えをまとめた俺は首に掛けたタオルで汗を拭き、最後の確認をすべく振り返った。



「お疲れ様でーす」

「おーおつか……」



そこまで言って俺の動きは止まった。
否、止まったのは言葉のみか。

爽やかに挨拶をかまし道場を去ろうとしていた人物の首根っこを掴むと、俺はあらん限りの力でそいつを引っ張り上げた。



「おいコラ総悟。てめー何当たり前みたいな顔で出ていこうとしてんの?
お前は遅刻の罰掃除が残ってんだろうが」





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