HEAVEN!!

□帰結
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「失礼する、御用改めだ」



そして飛び込んできたのは黒の大群。
人数は20人いるかいないかというところだったが、戸口に固まっているせいでそのように見えたのだ。



「まぁ、」



それに姫様は口を覆う。

取り合えず扉から離れ先程の位置に腰を下ろすと、優雅に微笑んだ。



「真選組の方とお見受けいたしますが、こちらに何かありまして?」

「ここらに攘夷志士の高杉が潜り込んでいるという情報が入りましてな。捜索にご協力願いたい」



そう言ったのは先頭に立っていた男。

野太い声に太い眉、がっしりとした体躯。
てゆうかあの、何ですか、ちょっとアレに見えるんですけど。



「…真選組局長の近藤だ」

「…あれが」

「見た目はタダのゴリラだがな」



高杉がそう言ったので思わず噴きそうになった。



「ええ分かりました。
けれどここは私の私室も兼ねておりますの。勿論こちらでお客様を取ることもございますれど、高杉様などという方は存じませんが」

「それはもう女将に聞いてる。
いいから取り合えず協力しろ」



次に言葉を発したのは、近藤のやや斜め後ろに控えていた人物。
あれは知ってる、鬼の副長さんだ。


と、そこで僅かに視線を逸らすと、見覚えのある色が目に付いた。



「あっ、アイツ!」



土方と反対側、近藤の左後ろにいるのはさっきあたし達にモロ襲い掛かってきた張本人。

名前はえーとえーと…おき、おきた?



「一番隊隊長の沖田だ。
まだまだガキだが剣術の腕ァ確かだ」



小声で、しかし舌打ち混じりに高杉が言った。

なるほど。
そんなに年も変わらなそうに見えるというのに、世の中には凄い人もいたもんだ。



「ではこうしましょう」



と、そこで姫様が一つ溜め息を吐く。



「捜索は構いません、ですがこれはれっきとしたプライバシーの侵害ですわ。
もしも高杉様とやらが隠れていたは場合はいいですが…」

「………」





「何も見つからなかった場合、貴方方に責任を取って頂きます」










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