HEAVEN!!
□帰結
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にっこりと。
姫は努めて朗らかに言った。
突如場が静まり返る。
流石の真選組も、これには驚いているようだ。
「…責任、とは?」
「そうですねぇ。貴方方の隊規とやらに則って、切腹なんてどうかしら」
「「「…え゙。」」」
今度は沈黙ではなく激震が走った。
未だかつて、泣く子も黙る…否、笑う子すら泣くチンピラ警察24時な彼らに、こんなことを言い得た女がいただろうか。
呆気に取られた近藤は元より、土方にいたってはぶるぶると震えている。
「女ァ!局長に向かって何という口を!」
背後にいた隊士も口々に姫を罵った。
「って何言ってやがんだアンタらァァァ!!!(小声)」
「痛ッ!
テメェこのクソガキ暴れんな!」
それにあたしが牙を剥けば、高杉の手が伸びてきて押さえつけられる。(櫃の中だけれども)
回された腕の中、フーッと威嚇するような声を出せば、またしても背筋をなぞられた。
「…ッひ!」
「いいから静かにしてろ。捕まって殺されたいのかァ?」
だとしたら相当なマゾだな、と高杉は耳元で笑った。
誰がマゾか誰が!
「…っていうか!その、背中、やめ…っ」
「あ?聞こえねェなァ」
小声なのをいいことに、高杉の左手は調子に乗り始めた。
触れるか触れないかの位置で、背骨をなぞる行為を繰り返す。
「ば…っ、ちょ、ホントにダメだってば…っ」
ゾクゾクと背筋にくすぐったいものが走る。
思わず声が出てしまいそうで、全く無意味なところであたしは必死になっていた。
「…感じてンのか?」
「…うぁっ!」
折角口を両手で押さえて声を漏らさぬようにしていたというのに、今度は耳たぶに舌を這わせる。
先日こんなことがあって酷い目にあったというばかりなのに、その感覚が蘇るようで顔が熱くなった。
ていうか何がしたいんですかこの男はァァァァ!!!
「…ん…はッ、ん…う〜〜〜〜〜…!」
無意識に手に力が入り、ぎゅうっとしがみついてしまう。
しかもそれが男の纏う着物なのだから、もうどうしていいのか分からない。
「…耳、弱ェんだな」
「!!!!!」
知ってか知らずか、高杉は態とそこで喋っているような気がした。
声と一緒に耳に入る息がくすぐったくて、小さく身を縮こまらせる。
「…っていうか!アンタちょっと状況見えてんですか!?」
「あァ」
「嘘吐けェェェェ!!!」
勿論これも全部小声だ。
目の前には敵がいるというのに、あたし達は何をやってるんだか。
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