灰色ノ君ト私

□+one night+
2ページ/4ページ

渡された紙を、神田はペラペラと目を通す。
すると、一枚の写真があった。


「僕は一旦、捜索部隊を帰還させた。でも、また起こったんだよ。一週間前にね。だから再び捜索部隊を送った。その時の捜索部隊が見つけて撮ったのが、その写真だよ。神田くん…」


そう言われて、もう一度目を通す。


「………ペンタクル………」


写真には、地面に描かれた黒色の星が点々と写っていた。


「そう。それはAKUMAの毒の象徴。もしかしたら……イノセンスがあるのかもしれない。」


「…つまり、その森で消えたって奴らが全員AKUMAで、イノセンスを狙って森に入ったが返り討ちにあった。破壊後、ご丁寧に地中に埋められたってわけか。………イノセンスどころか適合者がいるな。」


「うん。それに……森の中で詩{うた}が聴こえたっていう情報が入ってね。」


「…は?詩だと?」


神田は、意味が分からん、といった顔をした。


「今回はその情報提供者と一緒に向かってもらう。」


「はっ いらねぇよ。俺一人で……」


しゃべっている最中に、座っているソファーの空いている部分に違和感を感じ、言葉を切った神田は目だけを横にやる。


「久しぶりさぁ〜、ユウ。相変わらず目付悪いさ。」


いつからいたのか、神田の座っている横には、いつものように赤い髪をバンダナで上げ、右目には眼帯をしてヘラっと笑っているラビがいた。


「なんでいんだよ、てめぇ…出てけっ!!」


神田はガバッとソファーから離れる。


「神田くん、さっき言った情報提供者がラビなんだよ。偶々、今回とは別件の任務帰りに通った時に聴いたそうなんだ。だから今回は二人で任務に向かってもらう嫌でも行ってもらうからね。」


「…チッ」


「頑張るさv ユウ。」


そんな二人を見ながら、コムイはより一層顔を引き締める。


「二人の任務は、森の中に居るであろうイノセンス適合者の保護。そのイノセンスを狙っているAKUMAの破壊。以上だよ。二人にはすぐに向かってもらう。用意はいいかい?」


「完璧さぁ〜」


「……ああ」














+continuance+  →
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ