話
□源流と中学生
1ページ/7ページ
「まいったなあ…。」
塾の帰り道だった。まだまだ家までずっと遠い、それなのにこんなどしゃぶりの雨が降るなんて…。もう最悪だよ、
わたしは神社の前にあるバス停のベンチに座り雨宿りをすることにした。
なんせ、自転車もないし、サーッと走って帰れる距離でもないのだ。
わたしは灰色の空に祈った…
「お天道様…どうかどうか、やわらかな太陽の恵みを…!!」
なんて…、。
…おお、恥ずかしい
しかし、止みそうにないなあ…。どうしよう、もう10時近いし、暗くなってきた。
…そのときだった
カツ…カツ……カツ…カツ…
暗い暗い真っ暗闇の神社から、何かがわたしに向かって歩いてくる…。
「えっ、だ、誰!?」
わたしは逃げ出そうとしたが、近づいてくるにつれてどんどん怖くなってきてしまって体が金縛りのように動かないのだ。
…カツ……カツ…カツ…
やだやだやだー!おばけー!!
死にたくないーっ!!
いやぁー!!だれか助けてえー!!
そっと、白くて冷たい手が肩に触れた、
「……ひぃいいっ!!!」
わたしは驚いてビクリと跳ねた。
『…アマ、テラス……コウ…』
「ひえっ、殺さないで!」
『…なぜ?』
「、…い、生きていたいからぁ……」
あ、わたし、今おばけと会話してる?
『…ちがう、なんで僕が君を殺すの…。
ああ…まったく…なんて心外な人だ』
おばけはまたカツカツとゆっくり歩き、頭を抱えてふさぎ込んでいるわたしの前でしゃがんだ。
『…天照皇が。君に。ごめんなさい、だって。』
なだめるように語りかけている。どうやら悪い人ではなさそうだ。