□いっしょのとき
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最近、源流には泣くほどうれしいことがありました。





「源流、じゃあね、俺帰るから…、」

神社まで源流を送って、ジェットで飛んでいく。
「……、待って!!」

呼びかけに、おお、と応えてUターンした。

「…え。ちょっと、な、なんだってぃうの?」
ガシッと捕まえると俺の腕を、白と黒の両腕で抱いて放さない。

「……ど、どこにも、行かないでっ、!クイルス、」

ちょっとおかしい。コイツが叫ぶなんてそうあることじゃないんだ。
「…なに?、お前、」

源流は俺をまっすぐ見つめて微かに震えている。
「な、なにがあったんだよ、ちょっと、変だぞお前!」

源流は何度も瞬きをした。おかしいと思った。
そういえばコイツはたしか泣き方を知らなかった。もしかしたら泣いているのかもしれない…。俺は源流を抱きしめる。

人間に生まれ落ちたばかりのミュータント。

わかってはいたけれど、見た目は大人。わかってやれてなかったの。まだ一歳にもなっていないのに、俺はなんでこんなところにいつも捨てて帰っていたんだろう。

「クイルス…、帰らないで、帰らないでよ、お願い……」


懇願して透明の涙をぼろぼろ流して俺に顔を埋める。

「…ごめんな、」



帰る。もう帰るよ。

一緒に家に帰ろう。
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