□消えかけた法則
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…………


収容所にいた頃、オルコ兄さんが外から動物を拾ってきたことがあった

出られない僕のためらしくって、とりあえずなんかうれしかった。


それは全身ふわふわの赤毛に包まれたもので。

ふわふわした小さいものってだけで、それがなんだったのかはわからなかった。ただ一緒にいて放さなかった。


ずっと一緒にいて

なんだか愛おしくて

ずっとそばにいてほしくなって


そのふわふわが大好きになったのね。


ふわふわも僕の後を追いかけてついてくるし
僕がいないときは寂しくて泣くのだ。


ふわふわもきっと僕のことが好きなんだなあ、ってそう思った。



そう思ったときから、
ふわふわは弱っていった

僕を追いかけることも
鳴くことも出来なくなって

ふわふわの赤毛が抜け落ちて

枯れて


ただの石になった。




オルコ兄さんはその動物は寿命で死んだと言った。僕は頷いた。


それから、拾ってきた動物に僕は愛情を注いだ。それはそれは早く死んだ。

みんな同じように死んでいっても、


オルコ兄さんは小さい動物は寿命が短いと言った。


僕は頭に浮かんだ死ぬ法則を消したくて、首を振った。


オルコ兄さんはもう動物は拾って来なかった。
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