CODE GEASS
□特区・日本
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If she noticed...
ルルーシュは、ユーフェミアと向き合っていた。
ゼロの仮面は外していて、他の誰も居ない。
ナナリーのため、ルルーシュのため…。
皇位継承権を返上してまで、ユーフェミアはゼロであるルルーシュを受け入れると言った。これは、とてつもない覚悟だ。
ルルーシュは負けを認めた。ユーフェミアには敵わない。
彼女と共に特区・日本に参加することを、ルルーシュは決意した。
笑顔で握手を交わす。
これで、一安心だ。2人とも、そう思った。
「けど、私って信用無いのね…。脅されたからって、本当に私がルルーシュを撃つと思ったの?」
ユーフェミアがルルーシュに聞いた。彼女にとって、それは心外だった。
「違うんだ。…俺の命令には誰も逆らえない。1回きりだけどね。例えば…」
目の痛みを感じながら、ルルーシュは喋っていた。
「俺を撃てとか、スザクを解任しろ…とか…何でもね。それから…」
その時、ユーフェミアが異変に気付き、ルルーシュの言葉を遮った。
「ルルーシュ?目が…」
その言葉を聞き、ルルーシュは自分の左目に触れた。さっきから微かな痛みがある。
そして、持っていた仮面に顔を映すと、左目は赤く禍々しい光を放っていた。
ギアスを発動した覚えはない。
「…これは……」
ギアスの制御ができなくなった。
ルルーシュは即座にそう理解した。
「ルルーシュ?大丈夫…なのですか?」
ユーフェミアが心配して言う。
「あ…あぁ。問題無い…」
左目を隠しながら、ルルーシュは答えた。
マオと同じ、常にギアスを使用してしまう…
この状況はまずい。何かの拍子で命令を下してしまうかもしれない。
「…ユフィ!」
「はい?」
ユーフェミアは首をかしげ、ルルーシュを見た。
一瞬、ルルーシュは言葉に詰まる。
仮面をかぶってしまえばいい。
しかし、それでは何の解決にもならない。
ユーフェミアに1度ギアスを使ってしまえばいい。そうすれば安心だ。
ギアスは1度しか効かない。
しかし、何と命じる?
ルルーシュは自分に問い掛けた。
「ユフィ…俺は……、」
「…はい?」
「いや、いい」
ルルーシュは仮面を被った。
首をかしげるユーフェミアの横を通り過ぎる。
「戻ろう、特区日本の成立だ」