CODE GEASS

□特区・日本
1ページ/1ページ

If she noticed...


ルルーシュは、ユーフェミアと向き合っていた。

ゼロの仮面は外していて、他の誰も居ない。


ナナリーのため、ルルーシュのため…。
皇位継承権を返上してまで、ユーフェミアはゼロであるルルーシュを受け入れると言った。これは、とてつもない覚悟だ。

ルルーシュは負けを認めた。ユーフェミアには敵わない。
彼女と共に特区・日本に参加することを、ルルーシュは決意した。

笑顔で握手を交わす。
これで、一安心だ。2人とも、そう思った。


「けど、私って信用無いのね…。脅されたからって、本当に私がルルーシュを撃つと思ったの?」

ユーフェミアがルルーシュに聞いた。彼女にとって、それは心外だった。

「違うんだ。…俺の命令には誰も逆らえない。1回きりだけどね。例えば…」

目の痛みを感じながら、ルルーシュは喋っていた。

「俺を撃てとか、スザクを解任しろ…とか…何でもね。それから…」



その時、ユーフェミアが異変に気付き、ルルーシュの言葉を遮った。

「ルルーシュ?目が…」

その言葉を聞き、ルルーシュは自分の左目に触れた。さっきから微かな痛みがある。
そして、持っていた仮面に顔を映すと、左目は赤く禍々しい光を放っていた。

ギアスを発動した覚えはない。

「…これは……」

ギアスの制御ができなくなった。
ルルーシュは即座にそう理解した。

「ルルーシュ?大丈夫…なのですか?」

ユーフェミアが心配して言う。

「あ…あぁ。問題無い…」

左目を隠しながら、ルルーシュは答えた。

マオと同じ、常にギアスを使用してしまう…

この状況はまずい。何かの拍子で命令を下してしまうかもしれない。

「…ユフィ!」

「はい?」

ユーフェミアは首をかしげ、ルルーシュを見た。

一瞬、ルルーシュは言葉に詰まる。

仮面をかぶってしまえばいい。
しかし、それでは何の解決にもならない。

ユーフェミアに1度ギアスを使ってしまえばいい。そうすれば安心だ。
ギアスは1度しか効かない。


しかし、何と命じる?
ルルーシュは自分に問い掛けた。

「ユフィ…俺は……、」

「…はい?」


「いや、いい」

ルルーシュは仮面を被った。
首をかしげるユーフェミアの横を通り過ぎる。

「戻ろう、特区日本の成立だ」
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ